内部利益率とは、投資案件の複利の利回りのことである。英語ではInternal Rate of Returnなので、その頭文字を取ってIRRと言われる。
数学的には、正味現在価値(NPV)が0になる割引率(→キャッシュの時間価値)が内部利益率になる。たとえば、下図のように、投資額 \(I\) に対して、\(n\) 年間にわたって \(CIF_{1}, CIF_{2}, \cdots, CIF_{n}\) のリターンが見込める投資案件があるとする。
この場合、IRRを求めるには、以下のNPVが0になる \(r\) を求めればよい。
\[
\mathrm{NPV} = \displaystyle \sum_{i}^{n} \dfrac{CIF_{i}}{(1 + r)^{i}} – I = 0 \tag{1}
\]
一般に、方程式(1)を手計算で解くのは不可能なので、コンピュータの助けを必要とする。Excelにはその名もIRR関数という関数が用意されているので、それを使えば簡単に求めることができる。
IRRを投資の評価に使う場合は、IRRと投資に対する期待利回り率を比較すればよい。IRRが期待利回り率を上回っていれば、投資すべきということになる。
IRRが期待利回り率を上回っていることは、その期待利回り率を割引率として計算したNPVがプラスであることと基本的に等価である。