投資、費用

「投資対効果」という言葉がある。「費用対効果」という言葉もある。みなさんは、この2つをどのように使い分けているだろうか。

これは要するに「投資」と「費用」は何が違うかということである。

「投資」というと何か前向きなイメージで、「費用」というと何か後ろ向きなイメージがあるかもしれない。しかし、両者がやっていることは全く同じである。いずれも、お金を使っているのである。その目的も、何らかの形で会社の役に立たせるためである。

では一体何が違うのかというと、それはお金を使った効果の長さである。お金を使った効果が複数年に及ぶものを投資といい、同一会計期間で完結するものを費用というのである。費用については、「同一会計期間に対応するもの」と言ってもいい。

したがって、新たな設備やシステムの導入に使うお金は投資であって費用ではない。それらに使ったお金は、その後何年にも渡って会社のビジネスに貢献するからだ。そして、これらの効果は投資対効果と言うべきであって、費用対効果と言ってはいけない。

投資対効果を測る場合は、複数年に及ぶ効果をどのように評価するかというところがポイントになる。代表的な評価方法には、回収期間法投下資本利益率法(ROI法)正味現在価値法(NPV法)内部利益率法(IRR法)などがある。