資本コストのうち、債権者から調達する資金に伴うコストを株主資本コストという。その実態は債権者が企業に期待しているリターン水準であるから、要するに利息である。したがって、借入金の利率を調べれば負債コストは容易に分かる。
負債コストは、財務諸表の情報から以下のように計算することもできる。
\[
負債コスト = \dfrac{\mathrm{P/L}の支払利息}{\mathrm{B/S}の借入金} \tag{1}
\]
今、複数の借入金 \( D_{1}, D_{2}, \cdots, D_{n} \) があり、それぞれの借入利率が \( i_{1}, i_{2}, \cdots, i_{n} \) だとすると、式(1)は以下の計算をしていることに相当する。
\[
負債コスト = \dfrac{D_{1}i_{1} + D_{2}i_{2} + \cdots + D_{n}i_{n}}{D_{1} + D_{2} + \cdots + D_{n}} \tag{2}
\]
これは複数の利率の加重平均を計算していることに相当する。
式(1)は簡便的に負債コストを求めているように見えるかもしれないが、実は合理的な計算になっているのである。