配当性向

配当性向は以下の式により計算する。

\[
\mathrm{配当性向} = \dfrac{\mathrm{年間配当額}}{\mathrm{当期純利益}} \times 100 ( \% )
\]

配当性向は、配当原資の主要部分である当期純利益のうち、どれだけを配当に回したかを表している。

かつての日本では、1株当たり配当額を重視する企業が多かった。それは安定配当政策を取る企業が多かったからだ。しかし、配当とは株主に対する利益の分配であるので、本来、成功報酬的な性格を持つものだ。したがって、利益の多寡に応じて配当額が変動するのは当然であり、固定化する方がおかしい。

また、利益の多寡に関わらず一定額の配当をするためには、必然的に利益が少ない場合を基準に配当額を設定せざるを得ない。そのため、安定配当政策を取る企業の配当水準は必然的に低くなる。

そのため、最近は配当性向に一定の目標値を設定して配当額を決める企業が多くなってきている。配当性向を一定にするという配当政策を取れば、利益の多寡に応じて自動的に配当額も増減する。業績がよく多くの利益が出れば、株主は多くの配当が得られ、赤字になれば必然的に無配になる。

平均的な配当性向は、日本が30%、米国が40%、欧州が60%程度である。