会社形態として最も自然なのは、所有と経営が一致している合名会社であるが、資金の出し手がどうしても少数の個人に限定されるので、多額の資金を集めるのは難しい。
その欠点を解消するために、有限責任の社員を一部認めた会社形態が考え出された。それが合資会社だ。経営にはタッチしない親戚のおじさんに、お金だけを出してもらうイメージだ。
合名会社と合資会社は小規模会社のために用意された会社であるが、体裁を気にする日本では、本来合名会社や合資会社になるべき会社まで株式会社になっているのが実状である。
実務上の存在意義は乏しく、2006年5月から施行された会社法では、合名会社と合資会社を削除することも検討された。最終的には現行会社法にも残ることとなったが、ほとんど歴史的遺産としての意味しかなくなっている。