KGIとはKey Gaol Indicatorの頭文字をとったものである。日本語で言われることはほとんどないが、あえて日本語で言えば「重要目標指標」である。

KGIは目標（=ゴール）を図るための指標である。何かを測定する指標なので業績評価指標の1つである。KPIとの違いについては、「KPIは“結果”に至る“過程”を測る指標であるのに対し、KGIは“結果”を測る指標」などという説明が一般にはされているようである。

しかし、この説明には違和感を感じる。上記の説明が成り立つためには、KPIが「過程だけを測る指標」というように、限定的な定義になっていなければならない。もし、KPIがKey Process Indicatorならばこの定義は分かる。しかし、KPIはKey Performance Indicatorであるから、KPIには「業績（＝performance）を測る指標」という中立的な意味しかない。

さらに、何が結果で何が過程かを分類するのは実は容易ではない。何かのゴールは別の何かのプロセスの1つになっていることがあるからだ。たとえば、不良品率を下げるという工場のゴールは、コストを下げるという全社的なゴールの1プロセス（言葉を換えれば手段）になっている。

「この指標は目標（=ゴール）に関するものですよ」ということを強調するためにKGIという言葉を使うことはあってもいいと思うが、基本的にはKPIの1つに過ぎないので、わざわざKGIという言葉を使う必要性はそれほどないと思われる。